鬼才×鬼才！ ピアニスト、ブラッド・メルドーの最新作はドラマー、マーク・ジュリアナとの約5年ぶり共演作！
レディオヘッドやオアシスなどの楽曲をいち早くカバー、昨年リリースした『AFTER BACH』ではバッハの「平均律クラヴィーア曲集」と自らのオリジナル楽曲を交互に並べるという異色の作風を見せるなど、現代においてジャズの可能性を拡張させ続けているピアニスト、ブラッド・メルドー。
その新作『Finding Gabriel』は、マシン・ビートを血肉化したような独特のドラミングで現代ジャズの先端をひた走る鬼才ドラマー、マーク・ジュリアナとの約5年ぶりの共演作です。
Finding Gabriel
マーク・ジュリアナとはエレクトロニックデュオ・メリアナ（Mehliana）として2014年にアルバム『Taming The Dragon』を発表しています。
Mehliana: Taming The Dragon
YouTubeに5年前にアップされたMehlianaのライブ。筆者の「ジャズ」のイメージは根底から覆されました…！
今作は、シンセサイザーDave Smith Instruments OB-6（オー・ビー・シックス）とマーク・ジュリアナのドラムにより、楽曲の着想がなされたとのこと。
アルバムの重要な要素を占めているコーラスには、ベッカ・スティーヴンス、カート・エリング、ガブリエル・カハネに加え、メルドー自身も参加しています。
今月末には来日公演も控え、注目の高まるブラッド・メルドーの最新モードを、ぜひお楽しみください。
《パーソネル》
1. ザ・ガーデン The Garden
ベッカ・スティーヴンス Becca Stevens – voice
ガブリエル・カハネ Gabriel Kahane – voice
アンブローズ・アキンムシーレAmbrose Akinmusire – trumpet, solo
マイケル・トーマス Michael Thomas – flute, alto sax
チャールズ・ピロー – soprano sax, alto sax, bass clarinet
ジョエル・フラーム – tenor sax
クリス・チーク – tenor sax, baritone sax
ブラッド・メルドー – OB-6 Polyphonic synthesizer, Therevox, Moog Little Phatty synthesizer, Steinway C grand piano, voice
マーク・ジュリアナ – drums
2. ボーン・トゥ・トラブル Born to Trouble
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – voices, OB-6, Little Phatty, Yamaha upright piano, Steinway C grand piano, drums
3. ストライヴィング・アフター・ウィンド Striving After Wind
ベッカ・スティーヴンス Becca Stevens – voice
ガブリエル・カハネ Gabriel Kahane – voice
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – OB-6, Fender Rhodes, Little Phatty
マーク・ジュリアナ Mark Guiliana – electronic drums
4. オー・エフライム O Ephraim
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – voices, OB-6, Fender Rhodes, piano, Musser Ampli-Celeste, Morfbeats gamelan strips, drums
5. セイント・マーク・イズ・ハウリング・イン・ザ・シティ・オブ・ナイト
St. Mark Is Howling in the City of Night
ベッカ・スティーヴンス Becca Stevens – voice
ガブリエル・カハネ Gabriel Kahane – voice
サラ・キャズウェル Sara Caswell – violin
ルイス・マーティンLois Martin – viola
ノア・ホフェルド Noah Hoffeld – cello
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – OB-6, piano, voice
マーク・ジュリアナ Mark Guiliana – drums, electronic drums
6. ザ・プロフェット・イズ・ア・フール The Prophet Is a Fool
アンブローズ・アキンムシーレ Ambrose Akinmusire – trumpet, last solo
マイケル・トーマス Michael Thomas – flute, alto sax
チャールズ・ピロー Charles Pillow – soprano sax
ジョエル・フラーム Joel Frahm – tenor sax, first and second solos
クリス・チーク Chris Cheek – baritone sax
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – Therevox, OB-6, xylophone, piano
マーク・ジュリアナ Mark Guiliana – drums
7. メイク・イット・オール・ゴー・アウェイ Make It All Go Away
ベッカ・スティーヴンス Becca Stevens – voice
カート・エリング Kurt Elling – voice
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – OB-6, Little Phatty, piano
マーク・ジュリアナ Mark Guiliana – drums
8. ディープ・ウォーター Deep Water
ベッカ・スティーヴンス Becca Stevens – voice
ガブリエル・カハネGabriel Kahane – voice
サラ・キャズウェルSara Caswell – violin, end solo
ルイス・マーティンLois Martin – viola
ノア・ホフェルドNoah Hoffeld – cello
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – piano, OB-6
マーク・ジュリアナMark Guiliana – drums
9. プロヴァーブ・オブ・アッシュズ Proverb of Ashes
カート・エリング Kurt Elling – voice, middle solo
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – OB-6, Little Phatty, Therevox, piano, ending voices
マーク・ジュリアナ Mark Guiliana – drums
アーロン・ネヴェジーAaron Nevezie – Korg Kaoss Pad
10. ファインディング・ガブリエル Finding Gabriel
ブラッド・メルドー Brad Mehldau – voices, Little Phatty, Yamaha CS-60 synth, Therevox, Mellotron, Hammond B-3 organ, piano, shaker, handclaps, drums
＜来日情報＞
ブラッド・メルドー・トリオ：
5/30（木）兵庫県立芸術文化センター
5/31（金）サントリー・ホール
6/1（土）東京国際フォーラム ホールC
ピアノ・ソロ：
6/3（月）よみうり大手町ホール
ブラッド・メルドー プロフィール
1970年8月23日フロリダ州マイアミ生まれ。本格的なクラシック・ピアノの教育を6歳からを受け、14歳でジャズ・ピアノに傾倒する。
ニューヨークのクラブを拠点に、たちまち頭角を現すと、94年にはジョシュア・レッドマン・カルテット『ムード・スウィング』のセッションに抜擢され、一躍世界中の注目を浴びる。そこでの演奏が認められワーナー・ブラザーズと契約し、95年にメジャー・デビュー作『イントロデューシング・ブラッド・メルドー』を発表し、“同年の最優秀ジャズ・アルバムの一つ（ワシントン・ポスト紙）”と賛辞を浴びた。
デビュー作の録音に前後して、ラリー・グレナディアとホルヘ・ロッシィとレギュラー・トリオを組み、「アート・オブ・ザ・トリオ」と冠したシリーズ作品を5枚リリース。ジャズ雑誌の読者投票や批評家投票で最優秀に選ばれたほか、シリーズ2作目と4作目は、グラミー賞にノミネートされるという快挙を成し遂げた。
自身のアルバム以外では、チャーリー・ヘイデン、リー・コニッツ、ウェイン・ショーター、ジョン・スコフィールド、チャールズ・ロイドなどトップ・ミュージシャンたちとの共演も多い。彼のレコーディング活動はジャズ界にとどまらず、カントリー・ミュージック界の大御所、ウィリー・ネルソンやシンガー・ソング・ライター、ジョー・ヘンリーの作品にも参加。
また、スタンリー・キューブリック監督の「アイズ・ワイド・シャット」、ヴィム・ヴェンダース監督の「ミリオンダラー・ホテル」を含め、数々の映画音楽にも起用された。
近作は、J.S.バッハと自作曲を交互に並べるピアノ・ソロ作『アフター・バッハ』（2018年）、ラリー・グレナディア(b)、ジェフ・バラード(ds)との鉄壁のトリオによる『シーモア・リーズ・ザ・コンスティチューション！』（2018 年）。
